近年、ニュースや気象情報で「スーパーエルニーニョ」という言葉を耳にする機会が増えています。
「エルニーニョ現象が強まると、日本の夏は冷夏になるのでは?」「農業にはどのような影響があるの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
今回は、スーパーエルニーニョとエルニーニョ現象の基本的な仕組み、2026年夏の天候傾向、そして農業で注意したいポイントについて解説します。

スーパーエルニーニョとは

スーパーエルニーニョとは、エルニーニョ現象の中でも特に海面水温の上昇が大きい状態を指す呼称です。
世界共通の明確な定義はありませんが、1997~1998年や2015~2016年に発生した非常に強いエルニーニョ現象は、「スーパーエルニーニョ」と呼ばれました。
海面水温の変化が大きくなることで、大気の流れや降雨パターンにも大きな影響を及ぼし、世界各地で異常気象が発生しやすくなると考えられています。

エルニーニョ現象とは

エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の東部から中部にかけて、海面水温が平年より高い状態が続く現象です。
通常、赤道付近では東から西へ向かう風(貿易風)が吹いており、暖かい海水はインドネシア側へ吹き寄せられています。一方、南米沖では深い海から冷たい海水が湧き上がるため、海面水温は比較的低く保たれています。
その結果、西側では雲や雨が発生しやすく、東側では比較的乾燥した状態となります。

しかし、何らかの要因で貿易風が弱まると、暖かい海水がいつもより東側へ広がります。これに伴い、雲や雨が発生しやすい場所も東側へ移動し、世界各地の気圧配置や天候に影響を与えることがあります。

一方、ラニーニャ現象はその逆で、貿易風が強まり、赤道中部から東部の海面水温が平年より低くなる状態を指します。

一般的には「冷夏・暖冬」になりやすいが、2026年夏は要注意

エルニーニョ現象が発生すると、日本付近では夏に太平洋高気圧の張り出しが弱まりやすく、冷夏傾向になることがあります。また、冬は暖冬になりやすい傾向があるとされています。

しかし、2026年夏については、必ずしも冷夏になるとは見込まれていません。
気象庁の季節予報では、2026年7月から8月にかけて、全国的に平年より気温が高くなる可能性が示されています。
そのため、「エルニーニョ=必ず涼しい夏」と考えるのではなく、最新の気象情報を確認しながら暑熱対策を続けることが重要です。

また、過去に冷夏となった年と比較すると、海面水温や大気の状態には違いが見られます。エルニーニョ現象が発生していても、その影響の現れ方は毎年同じではなく、日本の気温や降水量への影響も一様ではありません。

台風の発生・発達にも注意

スーパーエルニーニョで特に注意したいのが、台風への影響です。
エルニーニョ現象発生時には、台風の発生場所が平年より南東寄りになる傾向があるとされています。そのため、日本へ接近するまでに海上を進む距離が長くなり、発達した状態で接近するケースもあります。

また、赤道中部から東部の海面水温が高いことで、平年より東寄りで台風が発生・発達しやすくなる可能性も指摘されています。
もちろん、すべての台風が強くなるわけではなく、進路や勢力はその時々の気圧配置などによって大きく変化します。

しかし、2026年も台風シーズンに向けて、最新の台風情報をこまめに確認し、露地栽培・施設栽培ともに早めの備えを進めておくことが大切です。

農業で想定したい影響

農業面では、まず高温への備えが重要です。
2026年夏は、エルニーニョ傾向であっても気温が平年より高くなる可能性が示されており、暑熱による生育不良や品質低下への対策を継続する必要があります。

また、冬に暖冬傾向となった場合には、害虫の越冬率の上昇や発生時期の早期化につながる可能性があります。

動画で詳しく!

参考文献・出典

  • 気象庁「エルニーニョ監視速報」
  • 気象庁「季節予報」
  • 気象庁「エルニーニョ/ラニーニャ現象とは」
  • 日本気象協会「エルニーニョ現象発生時の台風の特徴とは?」

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