残渣分解のすすめ
残渣分解とは?
残渣分解とは、農業現場で作物の収穫後に残る茎・葉・根・果皮などの植物残渣を、微生物や酵素の働きによって分解し、土壌に還元するプロセスです。
残渣分解の目的とメリット
◆土壌環境の改善
分解された有機物が土に還元され、土壌の団粒構造が形成されやすくなります。
◆病害虫の抑制
未分解の残渣は病原菌や害虫の温床になることがあります。分解を促進することでリスクを軽減できます。
◆次作への影響軽減
残渣が未分解のままだと、次の作物の根の成長を妨げ、養分の吸収を阻害することがあります。
◆栄養素の循環
残渣に含まれる窒素・リン・カリなどの栄養素を分解し、次作に活用できる形に変えることができます。
分解を促進する方法
◆微生物資材の散布
EM菌、放線菌、糸状菌などの有用微生物を畑に散布することで分解を促進します。
◆残渣の細断・粉砕
残渣を細かくすることで、土との接触面積が増やし、分解速度を向上させます。
◆耕うんによる土壌混和
残渣を土にすき込むことで、微生物の活動が活発になる環境を作ります。
◆水分管理
微生物の活動には適度な水分が必要です。乾燥しすぎず、過湿にも注意しましょう。
◆窒素肥料の補給
残渣は炭素が多いため、分解には窒素が必要です。少量の窒素肥料(尿素など)を加えることで分解が早まることがあります。
◆堆肥化処理(場外処理)
畑で分解が難しい場合は、残渣を集めて堆肥化施設で処理する方法もあります。完熟堆肥として再利用可能です。
残渣分解におすすめの微生物資材
川合肥料® 「五右衛門」

【特徴と効果】
・有機物の分解能力が高い微生物を選抜して配合。
・難分解性の繊維質や作物生育阻害物質の分解を促進。
・有機物施用による有毒ガスの発生を防止。
・土壌の団粒化を促進し、健全な根張りを支援。
川合肥料® 「市エ門」

【特徴と効果】
・有機物(特に繊維質)を強力に分解する微生物を厳選配合。
・微生物の増殖を促進し、土壌の団粒化を促す。
・根の生育環境を改善し、作物の健全な成長と収量・品質向上に貢献。
・未分解の有機物と一緒にすき込むことで、土中発酵の効果が得られる。
・連作障害の軽減や塩類障害の改善にも寄与。
(参考)その他 微生物資材
川合肥料® 「以エ門」
残渣分解には効果的ではありませんが、その他の微生物資材として、「以エ門」をご紹介いたします。
「以エ門」は、特に水稲の初期生育促進や根張り改善に効果を発揮する製品です。高濃度のアーバスキュラー菌根菌(AM菌)を含み、植物との共生を通じて栄養吸収や耐性向上を支援します。
【特徴と効果】
・高濃度AM菌を微細粉末化して配合。少量でも根への活着効率が高く、効果が期待できる。
・有機JAS資材リスト登録済(OMJ認証 JASOM-240215)で、有機農業でも使用可能。
・種子粉衣や苗への施用が効果的。初期ステージで根に共生させることで高い効果が得られる。
・水稲での実証結果では、分げつ数の増加、根の充実、収量の向上(最大117%増収)などが確認されている。
・高温・乾燥などのストレス環境への耐性向上にも寄与。
川合肥料® 以エ門 について詳しくはこちらから!
微生物資材を上手に活用することで、土壌環境の改善だけでなく、病害虫のリスク軽減や栄養循環の促進にもつながります。
現場の課題に合わせた資材選定で、より良い土づくりを始めてみませんか?
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